【応用編 1】「デジタルマーケティングで売上貢献が見えづらい」メーカーの悩み
デジタルマーケティングが実際にどれくらい売上げに貢献しているのか分かりにくいと言われています。 特に分かりにくいメーカーを例に、その問題と対策方法を構造から整理していきます。
デジタルマーケティングをどうしていくべきなのか?
メーカーのデジタルマーケティング担当者の方々にお話をうかがっていると、この課題に悩まれていることが多いと感じます。このテーマについてご相談いただくことも増えてきたので、メーカーがデジタルマーケティングに悩んでしまう「構造」を整理します。
なお、本記事で言っている「メーカー」とは、以下の特徴を持つ企業のことを指しています。
一定の歴史のある大手企業
- 商品を購入する・使うのは一般消費者
- 自社での直接の販売チャネルをもっていない、あるいは持っていてもわずかで、売上の大半は小売・流通・卸への販売で成り立っている。ビジネスモデルとしては実質的にB2B
飲料メーカーや食品メーカー、家電メーカーなどがこうした特徴を持つことが多いです。
こうした「メーカー」企業は一般消費者との直接のコミュニケーション接点(一方通行ではなくインタラクションが直接に取れるという意味で)はこれまでほとんど持っていませんでした。顧客データも社内に蓄積がなく、実際にどんなお客さんが使っているかということについてアンケート会社に依頼するなど間接的な手段でしか情報収集が出来ませんでした。
- (注)一定の歴史、というのは定義が難しいですが、こちらの特に後ろ2つの特徴を長らく有していて社内の基本的な仕事のやり方がB2Bに軸足があるような企業という意図です。
実際に売れているかどうか効果測定ができない
悩みのポイントは大きく言うと、「デジタルマーケティングで直接の売上貢献がしにくい・見えにくい」ということ。
これにはいくつか要因があります。
まず、自社では直接の消費者への販売チャネルをもっていないので、実際に売れているかどうかのデータが入手しにくい立場にあります。基本的にメーカーのビジネスモデルとしては、販売チャネル(小売・流通・卸)に仕入れてもらい販売してもらうケースがほどんどです。そのため、最終的に消費者に届いたのかどうかということがわからないため、デジタルで実施した施策が実際に販売につながったかが不透明になります。
ECは成長しているが、売上へのインパクトが小さい
また、ECサイトを開設しているメーカーも増えてきていますが、規模としては既存のB2Bビジネスに比べるとごくわずかです。また既存販売チャネルとの関係性からもECを強化することに対して、必ずしも積極的になれない(社内的な軋轢を産みやすくなってしまう)という事情があります。もちろんマストバイキャンペーンなどのようにシリアルIDを発行することで購入者を捕捉するというやりかたはありますが、コストの問題で定常的に実施するのは困難な場合が多いです。
このように、デジタルが成長してきたといっても、売上にダイレクトにインパクトを与えられるような数値になっていない現状があります。
既存マスメディアによる課題
上記の定義に当てはまるようなメーカーは、一般的にマスメディアを活用するマーケティング手法に大きな予算が割り当てていることがほとんどです。リーチ出来る・すべき人の数は数百万~数千万人という単位になり、売上規模も数千億~兆を超える規模になっていることも少なくありません。
一方でデジタルのチャネルでリーチ出来るユーザの数は、せいぜい数百万人の前半。自社で直接リーチできるユーザの数(会員数)になると、せいぜい数十万人規模となります。仮りに会員が、通常の販路の倍の数を購入したとしても、売上に対しての貢献はやはり大きくはない、ということになってしまいます。
B2Bのビジネスモデルの支援につながらない
デジタルマーケティング施策はC向けに実施されることが多く、B2Bビジネスで販売チャネル側に評価されることはまだ多くはありません。SNSでこれだけの人が「いいね!」した、Web会員が何人だというのは、まだ実際の「いい棚を押さえる」という競争への影響度は低いようです。そういうことよりも、「TV CMを何GRP打ちます」といったマスメディアへの露出のほうが、評価としては大きいというのはよく耳にする話です。
デジタルマーケティングが社内で評価されにくい
こうしたことから、デジタルを活用するマーケティングが社内で評価されにくい状況があると感じます。世の中的に「これだ!」という解がまだ生まれていない領域なので、皆さんも悩まれているのだと思います。
さらに言えば、上記のようなメーカーは、消費者とのコミュニケーション接点をこれまで持ち得なかったので、活用方法が現時点でわかっていないのも当然と言っていいのではないでしょうか。
売上ではない成果をアピールするには指標化が必要
我々Sprocketも、何かお役に立てないかと日々考えています。こうしたお話を聞いていくと、意外にクリアになっていないこととして、下記の点があげられます。
- 直接の売上向上以外の成果も本来ある。
- ただし成果としてアピールできるような指標化がされていない。
- 成果を出すための社内営業をもっとしてもいいのでは?
ここはまだ改善の余地があるのではないでしょうか。各社によって事情は当然異なりますが、現在保有している会員やデータの使い道が何かないか、社内営業することで見えてくることが意外にあるかもしれません。こう言うまでもなく、お話しているデジタルマーケティング担当の方自身は、具体的なイメージをすでに持たれていることはよくあります。
ただ、デジタルデータの活用についても、できることの幅が色々あるので、優先順位付け、もっといえば何を基準に優先度を決めるのか、結果を測定可能なデータでどう測るのか、あるいは操作可能な結果としてどう定義するのかということの整理が十分にされていない場合が多くあるように見受けられます。
Sprocketなら企業ごとにあわせたKPIをツールで測定できます
Sprocketの立場から考えると、優先順位付けやデータの測定方法は、導入時のシナリオ設計の1つとして考えています。Sprocketの場合、デジタルデータとして測定可能なデータであれば取得でき、それを元にユーザのスコアリングやグルーピングをすることができます。会員価値を彼らの具体的な行動から指標化する機能を備えています。
上記は、一般的にデジタルマーケティングのKPI設計の領域になりますが、Sprocketはこのようなサービスも提供できます。設計結果をそのままプラットフォームの設定に反映させるため、設計したKPIをそのまま確認することができます。
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