実店舗と遜色のないオンライン接客とは?リーガルコーポレーションがEC受注を前年比120%アップさせた方法
リーガルコーポレーションは、2022年に創立120周年の節目を迎えました。同社のECサイト・REGAL ONLINE SHOPの目的は、実店舗の対面販売と遜色のない接客をオンラインでも提供すること。ECサイトの受注を前年比で120%までアップさせた施策の秘訣に迫ります。
――まずはリーガルコーポレーション様のサイトと、藤井様がご担当されている役割について教えてください。
藤井氏:リーガルコーポレーションは創立120周年の節目を迎えました。一貫して靴の企画・製造・販売に従事しています。靴を履き物であると同時に文化や生活の創造の原動力のひとつと捉え、新しい価値を提供することを心がけています。
ECサイトの目的は、実店舗の対面販売と遜色ない接客をオンラインでも可能にすることです。靴はサイズ選びが難しい商品ですが、店舗にご来店いただかなくても購入でき、アフターフォローまでできるサイトを目指しています。
また、弊社が販売しているブランドの認知向上や最新情報をお届けすることで、新たな顧客層、特に若年層を開拓する場にしたいとも考えています。例えば、従来のリーガルブランドは硬くて重い革靴というイメージがありましたが、最近はオンでもオフでも履けるようなカジュアル寄りの商品の受注が増えています。弊社はECサイトとしては後発ですので、まだまだ伸ばせる余地があると考えています。
――リーガルコーポレーション様は2021年7月にSprocketをご導入いただきました。そのときはどのような課題があったのでしょう?
藤井氏:ECサイトに商品選びや購入時の注意点をまとめた「ご利用ガイド」を用意していたのですが、どうしても文字の列記になってしまい、お客様にあまり目を通していただけていませんでした。そのためご利用ガイドに記載してある内容でもメールや電話でお問い合わせをいただくことが多く、その対応に時間や労力がかかるのが課題でした。
また、ちょうどコロナ禍ということもあり、実店舗のご来店や売り上げが減少し、市場環境が激変したタイミングでもありました。会社全体として、少しでもECサイトの売り上げでカバーしなければならないという状況もありました。
そのため、お問い合わせ対応の負荷軽減や業務効率の改善、お客様の利便性向上、ご注文までのハードルを下げるといった目的でSprocketを導入いたしました。
――ほかに検討したツールはあるのでしょうか?
藤井氏:特にほかのツールを比較して検討はしませんでした。利用しているECプラットフォーム経由でそのプラットフォームと連携しているSprocketのことを知り、そのまま社内検討に進んで導入に至りました。
――リーガルコーポレーション様ではさまざまな施策に取り組まれています。それぞれ詳しく教えていただけますでしょうか。
藤井氏:まず実施したのは、弊社のECサイトを初めてご利用になるお客様に向けた、ご購入に関する不安を払拭する施策です。最初に実施したのは、靴のサイズの選び方です。
Sprocket藤井:この施策は出し方やメッセージなど試行錯誤しましたね。最終的に、サイトでわかりやすい案内ページをご用意いただいて、そこに誘導することで購入率が103%に改善しました。
藤井氏:サイズ選びについてのお問い合わせは、今は少なくなりました。逆に、数は多くないのですが「案内を見て購入したら、サイズがぴったりでした、ありがとうございました」というお礼が月に1、2件届くようになりました。わざわざご連絡をいただけるのはよほどご満足いただけたのだろうと思い、こちらもうれしいですね。
――それはうれしいですね。サイズ選び以外のお問い合わせについてはいかがですか?
藤井氏:これまでは先ほどお話した「ご利用ガイド」にサイズの選び方や配送についての情報を記載していたのですが、ページ遷移することなくその場のポップアップで案内することで、ご購入いただくまでのハードルが下がり受注もアップしました。サイトの改善など複数の施策も並行して行っていますが、ECサイトの受注は前年比120%となり、確実に成果が出ています。
――なるほど。当初の課題だった、お問い合わせ件数はいかがですか。
藤井氏:この5、6月くらいで、ご利用ガイドに関するお問い合わせは9割くらい減りました。特に施策を実施したサイズと送料の問い合わせは目に見えて減りました。これまでは週明けにはご利用ガイドに関するお問い合わせが数十件来ていたのですが、今は数件もないくらいです。
――9割減はすごいですね!
藤井氏:はい。この1年間でサイト自体の改修にも取り組んでいましたが、これはSprocketさんの施策の成果と言っていいと思います。お問い合わせへの対応時間が減ったことで、ほかの仕事に時間を割けるようになり、効率がアップしました。
――Sprocketがカスタマイズでご提供しているアンケート機能もご利用いただきました。
藤井氏:お客様は、よほど強い意見がないとお問い合わせフォームからご意見やご要望、ご不満を送ってはいただけません。ですから「普段サイトを利用されているお客様の意見をきちんと聞かせていただきたい」という目的で、販促担当者からの依頼もありアンケート施策を実施しました。
Sprocket藤井:アンケートは強制ではなく「よろしければ」というものでした。それでも1割くらいのお客様にご回答いただき、結構な数が集まりました。自由入力欄を見ると、サイトの感想が半分、もう半分が実店舗の接客や商品の感想で、それがとてもリーガルコーポレーション様らしいなと感じました。
藤井氏:アンケートの結果を見ると、たとえ同じ内容でも「ここが良い」という人もいれば「ここがダメ」という人もいて難しいところはあるのですが、結果を社内で共有してサイトの表示改善や商品開発に生かしています。また、アンケートの結果が新しい施策にもつながりました。
――特徴的な事例としては、靴と合わせたコーディネートを紹介する施策も実施されていますね。
藤井氏:コーディネートのコンテンツはSTAFF STARTを利用させていただいています。実店舗のスタッフの方がコーディネートを投稿するのですが、参加する店舗も投稿数も増えています。
以前は革靴といえばスーツが定番だったと思うのですが、最近はもう少しカジュアル寄りというか、ドレスダウンしてどう合わせればいいのか、まだまだわからない方もいると思います。例えば30代のファッションではどうなのかなど、投稿したスタッフによっても結構左右される部分ではないかと思います。
――Sprocketのシナリオと組み合わせることで、STAFF STARTのコーディネートのコンテンツに案内しているわけですね。
藤井氏:はい。多くのスタッフがモチベーション高く投稿してくれているので、少しでも見てもらいたいという思いで藤井様に相談しました。
Sprocket藤井:施策を実施してから、購入完了率が114%に上がっています。ほかにも、コーディネートコンテンツを見たことがない人にコーデ一覧のページを案内する施策も行っていて、こちらも改善の効果が出ています。
――リーガルコーポレーション様は、商品のこだわりなどのブランドコンテンツをnoteで発信されていますね。こちらもSprocketで案内する施策を実施しています。
藤井氏:ブログはもともとやっていたのですが、読んでいただいてもなかなか購入まではつながりませんでした。この1、2年くらいは定期的にブログを更新するようになって、担当者も熱量を持って書いているので、せっかくならぜひ見てほしいと。
Sprocket藤井:ブログを読んでいない人と比較して、ブログを読んだ人はCVRが1.5~2倍に上がっています。ブランドのこだわりを知って商品を購入するのは、普通に購入するのとはまた体験が違いますよね。
藤井氏:これまで価格が高いプレミアムラインの製品は、購買につながりづらくなかなか日の目が当たりませんでした。noteのブログを通じて、今までにない訴求の仕方ができるようになったと思います。「靴を買おう」と思っているお客様が、何を基準に選んで、購入に至るのか。その背景が重要です。ブログや先ほどのコーディネートコンテンツが背中をひと押しできるようになればというか、ECサイトでもそういう体験をされるお客様が1人でも増えればいいなと考えています。
――弊社コンサルタントの藤井は、藤井様から見てどのような印象でしょうか。
藤井氏:同じ藤井さんなんですよね(笑)。ミーティングやメールのやりとりなどの説明がわかりやすく、個々の内容についても理解しやすいです。また、実施した施策の成果をもとに新たなご提案を積極的に出していただき、変更や修正がある場合のスピードも速く感謝しております。弊社のECサイトをよくご確認いただいているので、私がご相談するよりも先にご提案いただくこともあり、心強いです。
Sprocket藤井:ありがとうございます! 今は月に1回の定例ミーティングを設けさせていただいていて、そこで施策の振り返りや提案を行っています。これからもよろしくお願いします!
――Sprocketへのご要望があれば教えてください。
藤井氏:私はSprocketの機能的なことについては詳しくないので、これからもどんどん提案をしていただきたいと思います。社内だと気付きづらい課題も、ぜひ教えていただきたいです。弊社内でも、普段からサイトを見ている担当者ではなく、たまに見る人だと違う意見が出たりして、そういう客観的な視点はとてもありがたいです。
――今後、ECサイトで取り組みたいと考えていることはありますか?
藤井氏:最初に申し上げた「実店舗と遜色のない接客」を目指して、Sprocketさんと連携してチャットの導入を考えています。チャットボットと有人チャットを導入してお客様へのサービス向上をさらに図り、1人ひとりに寄り添った情報の提供を重視していきます。
全体としては、外部ECモールへの出店を強化したり、海外の越境ECにも力を入れていったりといったことも考えています。
――最後に、Sprocketの導入を検討されている方にひとことあればお願いします。
藤井氏:ECサイトを運営されている会社様は、運営の効率化を図り、さらに購買率アップにもつながるツールとしてSprocketの検討をおすすめします。コンサルタントの方も親身になってくださり、導入後の不安もありません。ツールの導入がゴールではなく、あくまでも導入はスタートです。日々改善していくことがサイト全体のレベルアップになり、ひいてはお客様へのサービス向上にもつながると考えています。
――同じコンサルティングといっても「最初の導入サポートだけ」という場合もありますよね。その点はいかがですか。
藤井氏:一度リリースした施策でも、やはり改善点や修正点は出てきます。ポップアップの施策も、うまくいくものもあれば、当然そうでないものもありますよね。それを「修正しましょう」「やめましょう」と判断して改善していくことが大事なのだと思います。
Sprocketさんは、言ってみれば弊社とフィフティフィフティでとても良い関係だと思っています。どちらが上でも下でもなく、対等なパートナーとして新しい提案もいただいていて、その関係性が良いと思います。
――そう言っていただけると弊社もとてもうれしいです。本日はありがとうございました。
実店舗と遜色のないオンライン接客とは?リーガルコーポレーションがEC受注を前年比120%アップさせた方法
リーガルコーポレーションは、2022年に創立120周年の節目を迎えました。同社のECサイト・REGAL ONLINE SHOPの目的は、実店舗の対面販売と遜色のない接客をオンラインでも提供すること。ECサイトの受注を前年比で120%までアップさせた施策の秘訣に迫ります。
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