見せるべきは企業の裏側か、目指す姿か?ブランド構築の2つのアプローチとコンテンツの考え方

マーケティング

イメージ:ブランドと書かれたイメージイラスト

「ブランドとはなにか」「ブランドをどう作るのか」これはマーケティングの担当者であれば、心の中で常に意識しているテーマだと思います。しかし、ブランドとはなにか、といった問に対して、共通の見解があるわけではありません。ブランド側の方のお話を色々と伺っていると、ブランド構築という点に対するスタンスは大きく2つに分かれます。

ブランドは自然と醸しだされるものである派


1の場合、ある程度歴史のある企業であれば、自然に醸しだされる企業のイメージはあるでしょうし、ある種の謙遜の美徳を大事にする日本人的価値観からすれば共感しやすいスタンスだと思います。

またそのスタンス上、意図的なブランディング活動はややもすると敬遠される部分かもしれません。あるとすれば、自分たちのやっている業務の裏方(顧客からは直接的には見えない・見えにくいという意味で)を公開していくことで、仕事に対する姿勢を理解してもらうことがブランディングにつながるという発想かと思います。

業務の裏側を見せるというブランディング活動とは、例えばレストランが調理場をガラス越しに見えるようにしていたり、メーカーが工場見学をコンテンツとして展開していたり、開発者インタビューや研究内容を公開したりといった活動が当たるでしょう。偏見かもしれませんが、日本の企業はこっちのスタンスの方が得意な気がします。

宴席でのお酌は企業文化のコンテンツである


しかし、どんなコンテンツが企業のスタンスを示すのか、そしてブランディングに寄与するかということについては、あまり共通見解がありません。その結果、ブランド企業さんと話していると「あ、このコンテンツ外に出したらいいのに」と思うことがよくあります。

ブランドは自然に醸しだされるものであるというスタンスの場合、自社にとってはある意味当たり前の業務として行われていることがブランドであることに、中にいると気づきにくいというのが主要因な気がします。

一例を挙げると、あるビール会社さんとの飲み会の席でのことです。そのビール会社さんには、ビール会社だからこそ飲み会マナーに対しては一家言お持ちだという話題になりました。

お酌についてはなんとなくそうしたほうがいいらしい、というレベルでしか僕らも理解していないことが多かったので、興味を持って色々と質問していると、よくある瓶の持ち方・注ぎ方や置き方に始まって、どういうタイミングで注ぐか、それを見極めるためにどういう観察の仕方をしておくか、瓶ビールならどうでジョッキならどうか、といったお酌についての考え方が次から次へと出てきました。

ここでは書ききれないくらいあったのですが、こうしたお酌のマナーは社内での飲み会の場で連綿と継承されてきているとのこと。新人さんは上司の方から色々と指導を受けるそうです。こうしたマナーの1つ1つにちゃんと理由があって、基本的に「いかに気持ちのいい飲み会にできるか」ということが土台にあるんだなということがわかりました。

ここまで来るともはや文化と言っていいレベルだなと感じたわけですが、社内にあるお酌のマナーはまさに本来外に出すべき、会社の裏側に該当するコンテンツだと思うわけです。しかし、中の人にとっては当たり前すぎて外に公開するようなものでもないという考え方のようで、特に門外不出というわけでもないものの、アピール材料としても活用されていない状態のようでした。

Sprocketの仕事の1つとして、こうしたコンテンツを発掘しSprocketのギアに載せていくことでブランド理解度を高めてブランドロイヤリティを作っていくというのは大事だなと思った次第です。

ブランドは自社が見られたいイメージを伝えるメッセージである派


さて、ブランディングに対する2つ目のスタンス場合についてもみてみましょう。こちらはビジョン・イメージを示すというタイプのブランディングで、ラグジュアリーブランドやアパレルブランドで比較的よく見られるのではないかと思います。

自社あるいは製品のキャラクターを自ら特徴付けてしまうというやり方でもありますから、高額商品でなくてもあり得ます。スターバックスは、店構えからして自社の雰囲気を作ろうとしていることが感じ取れますし、アップルも同様の雰囲気を感じさせます。

P&Gもブランドとしてのメッセージを伝えるというスタンスで非常に上手にやっている企業の1つです。例えば、”Thank You Mom Commercial" という動画や 、少し前だと女性の美に関する動画、環境破壊に関する動画がよくマーケティング関係の記事で取り上げられていたかと思います。メッセージ性がとても強く、共感を生む事ができるコンテンツです。

しかし、ブランドのメッセージを伝える場合、やり方を間違えると諸刃の剣になることがあります。伝えようとしているメッセージや姿勢と、実際のやっていることがマッチしていないとかなりウソつき感が出てしまい、逆効果になりかねません。

ですから、こっちの場合はSprocketの仕事として、いかに企業側として本当にそう思っているか・実践しているかということをデジタル上で伝えていってブランド理解を高め、より効果的にメッセージを届けるという点をお手伝いしていくということになります。上辺だけならいっそ出さないほうがいいこともあります。

ブランドの両輪と捉えてコンテンツ化する


ブランド構築について2つのアプローチを示しましたが、どちらがよいのかは企業によって違うと思いますし、どちらか一方というよりは両輪であるべきだと思います。

いずれにしても、自社の目指すところ、考えているところ、大事にしているところ、実践しているところ、こうしたことをいかに発信して届けていくかがブランド構築の肝になります。Sprocketとしてはブランドの理解促進という点でお役に立てると思いますので、「こういうのを発信してもなかなか届かないんだよなあ」という場合にはぜひご相談ください

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