大手酒造メーカーの挑戦!「顧客の顔が見えない」課題を解決したCDP活用事例

事例

Sprocket編集部

イメージ:大手酒造メーカーの挑戦!「顧客の顔が見えない」課題を解決したCDP活用事例

某大手酒造メーカーでは、ビールへの関心低下と多様化する消費者ニーズに対応するため、顧客理解の深化を目指しています。

本記事では、BtoBtoC企業特有の「顧客の顔が見えない」という課題を抱えていた同社が、SprocketのCDPプロダクト「Sprocket DataStudio」を活用してどのように課題を解決したのか、その取り組みと成果をご紹介します。

Sprocket DataStudioの詳細は、こちらの資料をご参照ください。

顧客理解が深まらないBtoBtoC企業の悩み

その酒造メーカーは、ビール市場が直面する厳しい環境の中で、市場活性化に向けた取り組みを模索していました。しかし、同社はBtoBtoC企業として以下のような課題を抱えていました。

施策効果の不透明さ

Webサイトデータだけでは「何に興味があってサイトに来たのか」が不明確で、実際の顧客の顔が見えない状況でした。小売店を通じて商品が消費者の手に渡るビジネスモデルでは、直接的な顧客理解が難しいという課題がありました。

マスマーケティングへの依存

従来のマーケティング手法は、マスメディアへの大量出稿というパワーゲームが中心でした。しかし、多様化する消費者ニーズに応えるためには、よりパーソナルなアプローチが必要だと感じていました。

顧客理解の壁

アンケートで「当社製品が好き」と答えた人が実際にどのようなトピックに関心があるのか、「言っていること」と「やっていること」の間にあるギャップを理解できないでいました。

他社CDPでは解決できなかった技術的な課題

同社は既に他社のCDPを導入していたものの、期待した課題解決には至っていませんでした。特に以下のような技術的な問題を抱えていました。

酒造メーカーのメディア統括グループ・リーダーのK氏はこう振り返ります。


「以前は施策の効果測定も曖昧でした。マーケティング施策がどのように顧客行動に影響しているのか、データに基づいた議論ができていませんでした」

データ基盤構築から分析支援まで支援

これらの課題を解決するため、同社はSprocket DataStudioへの乗り換えを決断しました。Sprocketは単なるツール提供にとどまらず、包括的な支援を実施しました。

CDPを導入しただけでは眠ったままの顧客データを、Sprocketならではの「ロイヤルティ要因分析」などを活用することで、成果につなげることができます。

コンサルタントによる課題整理と分析支援

Sprocketのコンサルタントが明確にすべき課題を整理し、分析支援を実施。特にロイヤルティ要因分析によって、コンバージョンまでの導線とそれぞれの接点の貢献度を定量的に評価できるようになりました。

パフォーマンスの大幅改善

クエリ実行速度が2〜10倍向上し、データ更新の安定性と分析効率が大幅に改善。これにより、マーケティングPDCAが効率的に回るようになり、エビデンスに基づいた意思決定が可能になりました。

データの横断的分析

アクセスログ、会員情報、メルマガ、アンケート、キャンペーン、広告データなど、各種接点データを横断的に分析することで、顧客行動の全体像を把握できるようになりました。


マーケティングリサーチグループのH氏はこう語ります。

「Sprocketのコンサルタントの方々からは単なるツールの導入だけでなく、分析の視点や活用方法まで丁寧にサポートいただきました。これにより、社内のデータドリブン文化の醸成にも大きく貢献していただきました」

10ヶ月で完全移行を実現

Sprocket DataStudioの導入は段階的に進められ、約10ヶ月で正式決定から完全移行に至りました。


最初の2ヶ月間は現状分析と要件定義に充てられ、課題の明確化やデータ資産の棚卸し、目標KPIの設定などが行われました。
続く3ヶ月間はデータ設計と移行の期間となり、移行対象データの選定からGCP環境構築、ETL処理の構築までを実施。


その後の2ヶ月間で初回分析を行い、仮説検証や不足データの洗い出しが進められました。


最終段階では本格運用に移行し、既存SQLの移行や新規ワークフロー構築、利用者トレーニングなどを実施。定例会を通じた課題解決協議も継続的に行われ、着実にデータ活用の文化が根付いていきました。

顧客の顔が見えるようになった

Sprocket DataStudioの導入により、同社は以下のような成果を実現することができました。

施策効果の透明化

顧客IDの統合により、オンライン・オフラインの行動を一元的に把握可能になり、「顧客の顔」が見えるようになりました。ロイヤルティ要因分析によって、CVまでの導線とそれぞれの接点の貢献度を定量的に評価できるようになったことは大きな変化でした。


例えば、公式のファンコミュニティへの会員登録要因を分析した結果、「限定グッズのキャンペーンが大きく貢献している」といった具体的な洞察が得られるようになりました。

マスマーケティングへの依存からの脱却

メールを中心としたOne to Oneマーケティングの基盤を確立し、個別ニーズに応じたターゲティング施策を展開できるようになりました。消費者一人ひとりの嗜好や行動パターンに合わせたコミュニケーションが可能になったことで、マーケティング効率が大幅に向上しました。

真のロイヤル顧客を特定

データ統合により、「言っていること」と「やっていること」のギャップを可視化。「ブランドエンゲージ別ランク」の構築で、真のロイヤル顧客を特定し、適切なコミュニケーション戦略を策定できるようになりました。


K氏はこう語ります。


「特に印象的だったのは、施策単位での分析が可能になり『何がきっかけでCV(目的行動)に繋がっているのか』を見れるようになったことです。新しく立ち上げたファンコミュニティを活性化するために『何をすべきか』も明確になっており、会員数は当初の目標を大きく上回るペースで増加しています」

1st Party Dataの活用が開始できた喜び

この取り組みを通じて、同社はデータを武器にした新たなマーケティング戦略を展開する基盤を手に入れました。H氏は今後の展望についてこう語ります。


「これからは『ビールへの憧れ創出』という大きな課題に向けて、データを武器にさらなる挑戦を続けていきたいと思います。Sprocket DataStudioの導入によって、1st Party Dataの活用がようやく本格的に開始できたと実感しています」


データの宝庫を眠らせたままでは意味がありません。Sprocketは単なるCDPツールの提供にとどまらず、ロイヤルティ要因分析や横断的なデータ分析などの多彩な「データ活用の引き出し」を持ち、顧客理解を深めるための確かな道筋を示します。

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