自社にとって最適なパートナーを選ぶには?JALが実践したPoC評価によるベンダー選定方法とは

顧客体験

Sprocket編集部

Sprocketは、2024年6月20日に開催された「マーケティングアジェンダ2024」において、CEOの深田が日本航空株式会社(JAL)の山名敏雄氏とともに登壇しました。テーマは「最適なベンダーを見きわめるPoC評価のポイント」です。セミナーの一部を抜粋したレポートをお届けします。

導入前にツールやベンダーの特徴を正確に評価する

事業会社にとって「自社に最適なパートナーを選びたい」というのは共通の思いでしょう。しかし、ツールやベンダーの特徴を導入前から正確に知ることは難しいという課題があります。 それに加えて「特に部署のローテーションがある場合、自社にノウハウが残りづらく、専門的な部分はパートナーに頼るしかない」ことも大きな課題です。そこでJALが実践したのは、2段階の選定プロセスと、PoCによるベンダー評価でした。

RFPを展開してPoCを行うベンダーを選定

JALが掲げていたビジョンは「最高水準のデジタル顧客体験価値を提供できるエアラインプロジェクト」です。同社は最初に全体のビジョンを示し、今回のプロジェクトがどのような位置づけなのかを明らかにした上で「As JALとして主体的にサポートいただけるか」という視点でベンダーの提案を評価しました。 まずは4社のベンダーに声をかけて、その中からPoC評価を行うベンダーを2社に絞り込み、さらに本導入で1社に決めるという2段階のプロセスです。

PoC評価の際にチェックした3つのポイント

JALが選定時に見ていたポイントは「As JAL」「スピード」「サポート」の3つです。

「As JAL」とは「どこまでJALの一員として取り組んでくれるか」ということを表します。言われたことだけをやるのではなく、自分事としてプラスアルファの提案がどれくらいあるかがポイントでした。山名氏は「事業者は毎日のように自社のサイトを見ているので、どうしてもお客さまの視点に立ちづらい」と前置きした上で「お客さま視点を持ってJALのビジョンを達成するための動きをしてくれることに期待した」と説明します。

「スピード」は、打ち合わせから施策の実装までの期間です。山名氏は「限られた時間の中、一度で通じるか?」という視点で見ていたと説明します。「サポート」は企画のレベル感やレポートの納得性など、アウトプットの質を評価しました。

さらにこうした評価に加えて、お互いの乗り換え先の企業を紹介してもらい、その企業の担当者に話を聞くというリファラル評価も行いました。「実際によく使ってみた上での声を聞いて、より自社に合うのはどちらかを知るため」と説明します。

ベンダー選定にここまでの労力をかけるケースはめずらしいかもしれませんが、これはJALが「最高水準の顧客体験価値」にかける本気度の表れでもあります。

後悔せず関係者全員が納得できるベンダー選びを

特に自部署だけでなく、他部署や関連会社など多くの関係者がいる場合は、全員が納得できる根拠をもってスタートすることが大切です。

Sprocketは表面的な施策だけではなく、コンサルタントによるお客さまの心理の深い分析や、施策を実施しながら改善のサイクルを回していく運用を得意としています。その結果、JALの顧客体験価値を改善するパートナーとしてSprocketが選ばれ、すでに複数の施策や分析がスタートしています。

山名氏は最後に、ベンダーを選定する立場である事業会社の担当者に向けて「導入に不安や迷いがあるなら、実際の運用面も比較するためPoCも検討したほうがいい」とメッセージを伝えて、セッションを締めくくりました。

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