顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
リテンション率の向上は、顧客獲得コストやLTVの改善にもつながります。この記事では、リテンション率の計算方法や、目安となる平均リテンション率、リテンション率の向上によるメリットとリテンション率低下の原因と改善方法を解説します。
リピーター獲得や顧客育成のポイントをご存知ですか?顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法についてまとめた、今すぐ役立つ資料をご用意しました。
リテンション(retention)は「維持」「保有」などと訳され、マーケティング領域では「既存顧客の維持」を意味します。また「リテンションマーケティング」とも呼ばれ、商品を購入・サービスを利用した顧客に、継続してもらうためのマーケティング活動を指す場合もあります。
リテンション率とは「既存顧客維持率」のことで、サービスの定着率や継続率を数値化したものです。マーケティング領域では、新規顧客が一定期間内にアプリなどのWebサービスを再び使用した割合を指し、リテンション率の高さは顧客満足度が高いことを意味します。リテンション率を維持・向上させることは、顧客と良好な関係を保ちつつ、売り上げアップにつながります。
リテンション率は、以下の計算式で算出できます。
リテンション率(%) = 継続顧客数 ÷ 新規顧客数 × 100
例えば、その月に新規顧客を100人獲得し、1か月後に継続してサービスを利用した顧客が30人いた場合は「30 ÷ 100 × 100」となり、リテンション率は30%です。リテンション率が高いほど、顧客に「自社の商品やサービスを喜んでもらえた」といえるでしょう。なお、継続顧客数は「該当の期間終了時の顧客数 - 該当期間中に獲得した新規顧客数」で計算できます。この計算式によって、期間終了後にどのくらいの顧客が継続して商品やサービスを購入してくれたのかが把握できます。
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。新規顧客をロイヤルカスタマーに育てる方法についてまとめた、保存版の資料を公開中です。そちらもぜひご参照ください。
自社の商品やサービスのリテンション率を向上させることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここからは、リテンション率の向上によって期待できるメリットを解説します。
リテンション率の向上は、顧客獲得コストを節約できるメリットがあります。新規顧客にアプローチして商品を購入・サービスを利用してもらうには、多くの宣伝広告費が必要です。一般的に、新規顧客の獲得に必要なコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるといわれています。これは「1:5の法則」と呼ばれ、新規顧客よりも既存顧客に対してマーケティングを行うほうが、コストを抑えられると考えられています。
リテンション率が向上すると、企業側がアクションを起こさなくても、既存顧客が商品やサービスを広めてくれるケースも少なくありません。近年は、SNSも多く活用されていることから、既存顧客の口コミなどで新規顧客が増えていくこともあります。そのため、リテンション率の向上によって、顧客獲得のための広告費を抑えながら売り上げアップが目指せます。
リテンション率を上げることは、離脱率・利益率の改善にもつながります。既存顧客においては「5:25の法則」と呼ばれる法則があり、これは離脱率を5%改善すると最低でも25%の利益改善が見込めるという考え方です。当然、既存顧客が自社サービスから離れると、新規顧客を獲得しなければ収益は減ってしまいます。
リテンション率を向上させて顧客と良好な関係を築けるようになれば、離脱率が改善されて利益アップが可能です。顧客が満足する商品やサービスを提供するには、顧客の意見に耳を傾けて品質改善を行うことが重要です。
リテンション率が向上して顧客の満足度が上がると、アップセル・クロスセルを提案できます。自社の商品やサービスを利用した顧客がリピートしてくれた場合、その商品・サービスや企業に対して好印象を抱いている可能性は高いでしょう。そのような顧客は、すでに利用した商品以外のものを購入してくれるケースがあります。
加えて、現在使用している商品よりも上位モデルの商品を購入してもらいやすくなるのも、大きなポイントです。リテンション率が上がり、既存顧客に対してアップセル・クロスセルが見込めることで、顧客単価の向上が期待できます。
リテンション率は、LTV(顧客生涯価値)の向上にも大きな影響を与えます。企業を存続させるには、安定して売り上げを出し続けなくてはいけません。新規顧客だけで売り上げを確保しようとすると、常に新規開拓をしなければならず、多くの時間と労力を必要とします。そこで、既存顧客にていねいなフォローアップをしてリテンション率を上げることで、より少ない時間と労力で売り上げを最大化できます。
また、リテンション率の向上によってロイヤルカスタマーを増やせるのも、大きなメリットです。ロイヤルカスタマーとは、自社の商品やサービスを信頼している顧客のことで、以下のような行動を起こしてくれることがあります。
ロイヤルカスタマーは広告の役割を果たすケースもあることから、売り上げアップのためにも、既存顧客のフォローは欠かせません。
リテンションは、顧客の状態や商品・サービスに対する熱中度などを計る上で必要不可欠な指標です。なかでも、アプリはインストールされてからがスタートだといわれています。顧客に長く使ってもらえるアプリにするには、インストール数・アクティブユーザー数などをしっかり把握することが重要です。
フラー株式会社がリテンション分析機能を活用して推計した『インストールユーザー数上位500アプリの平均リテンション率(2021年3月)』を表にまとめました。
インストールしてからの日数 | 平均リテンション率 |
---|---|
当日 | 66.1% |
1日後 | 27.3% |
2日後 | 19.6% |
3日後 | 16.6% |
4日後 | 15.0% |
5日後 | 13.4% |
6日後 | 12.5% |
7日後 | 11.9% |
14日後 | 8.2% |
21日後 | 6.9% |
30日後 | 5.7% |
上記のデータを見ると、インストール後30日を経過してもアプリを起動するユーザーは6%に満たないことがわかります。細かいデータが把握できることから、アプリのリテンション率のベンチマークとして活用できるでしょう。
ただし、平均リテンション率はアプリのカテゴリーによって大きく異なります。アプリの目的や特徴など、細かくカテゴリー分けをして指標を算出することで、対象の業界や分野の大きなサイクルが見えてきます。
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既存顧客へのアプローチを行っても思うようにリテンション率が上がらない場合は、原因を把握して適切に対処する必要があります。リテンション率が低くなる原因と対処法を解説します。
顧客が、アプリやWebサイトに対して「使い勝手が悪い」と感じた場合は、リテンション率が下がりやすくなります。例えば、アプリ画面が見にくい・操作性が悪い・機能が多すぎて混乱するなどが挙げられます。顧客に満足してもらうには、アプリの操作性や見やすさを考えるのはもちろん、操作方法を解説したマニュアルを用意するなどの工夫が大切です。
なお、Webサイトの場合はページの読み込み速度が重いなどが原因で「使い勝手が悪い」と判断されるケースもあるため、注意が必要です。
アプリやWebサイトを通した顧客体験の悪さは、リテンション率の低下に大きく影響します。顧客体験の悪さとは、例えば以下のようなものが挙げられます。
2011年にOracle社が顧客向けに実施した調査では、顧客体験に対して以下のような回答が見られました。
顧客は、満足のいく顧客体験ができないと、たとえ好きなアプリやサービスでも離れていくかもしれません。リテンション率の低下を防ぐには、実際にサービスを利用した顧客の声を聞くことが大切です。加えて、自社が提供しているサービスに足りてないものを分析し、どのような取り組みをすれば魅力が上がるのかを考えることもポイントです。
リテンション率が低い場合は、顧客関係を維持するための適切なリテンションマーケティングを行っていないことが考えられます。既存顧客を定期的にフォローしないと、ほかの商品やサービスに関心が移って離れてしまうケースも少なくありません。特に、商品の購入頻度やアプリの利用回数が低下している顧客には、以下のようなフォローを入れると良いでしょう。
上記のように、顧客の心を掴むような工夫をすることで、サービスからの離脱を防げるかもしれません。ただし、過剰なフォローは逆に顧客満足度を下げるリスクがあるため、注意してください。
顧客育成の基本と成功のポイント リピーターを獲得しLTVを最大化する方法
マーケティングにおいて既存顧客の育成は重要なテーマです。すでに購入経験のある顧客は自社の商品やサービスに興味があり、コミュニケーションしやすく、効率的に売り上げ向上へとつなげやすいからです。この資料では、顧客育成に関わる重要キーワードと具体的な手法について解説します。
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