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おもてなし体験とは

Koji Fukada
Koji Fukada


我々は今回のリブランディングにて「All for Genuine Relationship すべてはおもてなしのために」というフレーズを作りました。

おもてなしの世界観が、あらゆる企業とその顧客の間で実現されるようにしたい、というのが我々がいまの事業を通じて目指している姿です。ここでいうおもてなしとは、プロセスとしての顧客体験を設計する際の指針という位置付けです。

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ビジョンとしての「こういう顧客体験を作りたい」を実現できるように、プロセスとしての顧客体験を設計することになります。その際には、どんな状態の顧客にどんな体験を提供すればビジョンとしての顧客体験に近づけるようにできるか、を考えます。

ただ、一方で、顧客の立場に立つとビジョンとしての顧客体験がどんなものなのかは、ある程度そのサービスやプロダクトを味わった後でないと実感しにくいものです。ですので、始めからビジョンとしての顧客体験を理解した上で、あるサービスやプロダクトを購入するということは実際は難しく、むしろ全く違う課題やニーズをもっていたりするでしょう。
顧客は顧客の視点でやりたいことがあるわけです。よって、顧客の意に沿うという路線で活動を考えすぎると、かえってビジョンとしての顧客体験の実現から遠ざかるということが往々にしておきます。

さらに、企業活動ですから、どうしても売上を上げたい、利益を出したいというプレッシャーが常にあります。
これはこれで当然で、売上を上げて利益を出さないと企業として存続できませんし、必要な投資余力も生み出せません。かと言って、そればかり考えてしまうと、これもまたビジョンとしての顧客体験の実現とそぐわない活動を優先してしまうということがおきます。

このように、ビジョンとしての顧客体験の実現は、容易ではありません。
顧客にどうやってその体験の良さを感じてもらうのか、そちらに目を向けてもらうのか。それと同時に顧客が持つ課題やニーズの解決も図らなければ、そもそもどこかに行ってしまいます。尚且つビジネスとして求められる売上・利益やそれらの成長も合わせて達成していかなければいけません。

整理すると下記の3つ、
・体験要件
・顧客要件
・ビジネス要件
これらを同時に充足させられるように、プロセスとしての顧客体験は設計しないといけない。ここに体験設計の難しさがあります。
残念ながら、どれか1つを満たせば他の2つも満たせるようになる・・・ということは現実としてはあまりおきません。

この難問をどのように考えていけば良いのか。そこで日本古来のおもてなしという発想が、実は優秀なソリューションになるのではないか。それが我々がこのフレーズを掲げている理由です。

では、なぜおもてなしがこの3つを同時に満たせる考え方になるのでしょうか?

書籍などでも書いていますが、日本古来のおもてなし提供者というのは、実は相当にエゴイスティックです。
顧客のことを徹底して考えるのはもちろんそうなのですが、徹底して考えるがゆえに、顧客自身も気づいていない・言語化出来ていない水準で「顧客にとってはこれが良いはずだ」をイメージします。「あなたは気づいてないかもしれませんが、実はこれがあなたにとっていいんですよ」という主張がまずあります。

その主張をプロダクトなりサービスなり、あるいは体験全体で表現しようとします。
顧客の当初のニーズは、おもてなしの提供者からすればいわば表層的なニーズであり、それは当然満たしながらも、より深いレベルでの充足感が味わえるようにすることで、新しい気づきや驚き、ときには学びを提供します。
そういう体験を提供してくれる事業者とは、もっと長い関係を築いていきたくなる。もっと利用したくなる。それがビジネスとしての広がりを生むことにもつながります。

本来のおもてなしとは、このような循環をうまく作っていくことで、上記の3つの要件を同時に満たしてきています。
日本のおもてなしは茶道が源流にあると言いますが、茶道だけでなく、京都のお茶屋さんや老舗の旅館などでも同じような循環がうまく作られています。日本古来の分野に限らず、例えばアップルや任天堂もこういう視点でプロダクトを作っている会社だなと思います。

こういうことから、おもてなしはプロセスとしての顧客体験を設計する指針になると我々は考えています。

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