CX改善にゲーミフィケーションを活用する方法

顧客体験(CX)の向上には、ゲームの要素を活用する「ゲーミフィケーション」が有効です。本記事では、ゲーミフィケーションがCX改善に役立つ理由と、成功のための7つのポイントを解説します。ゲーミフィケーションを取り入れた実例として、ゲーム形式でCXやデジタルマーケティングについて学べるツールもご紹介します。

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CXとは

マーケティングの大家フィリップ・コトラーは、CX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)について「顧客が製品に触れる可能性のあるすべてのタッチポイント」であると表現しています。

そして、フィリップ・コトラーは、顧客(体験)価値を「ベネフィット - コスト」の式で表しています。

そのため、「良い体験を増やして、悪い体験を減らす」ことが、CX改善のベースになります。

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ゲーミフィケーションとは

Sprocketの代表である深田浩嗣は、著書『ゲームにすればうまくいく』の中で、ゲーミフィケーションを「ゲームの要素を、ゲーム以外の領域で活用していくこと」と定義しています。

ゲーミフィケーションという言葉は、2011年にガートナーがレポートで定義しました。ガートナーは「ゲームのメカニズムを非ゲーム的な分野に応用し、ユーザーのモチベーションを高め行動に影響を及ぼす幅広いトレンド」と説明しています。

ゲーミフィケーションは、ユーザーエンゲージメントの向上、行動変容の促進、学習体験の強化など、多様な目的を達成する力を持ちます。

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CX改善とゲーミフィケーション

CX改善において必要な「良い体験」を増やすためには、顧客が自ら進んで参加し、継続的に関わりたくなる仕組みが不可欠です。

そのためには、企業からの一方的な情報提供だけでなく、顧客自身が「楽しい」「嬉しい」と感じ、能動的に関わりたくなる関係性を築くことが重要です。

ゲーミフィケーションは、この「顧客が自発的に関わりたくなる体験」を作り出すのに最適な手法です。

ポイント、レベルアップ、バッジなどのゲーム要素を導入することで、ユーザーの積極的な参加を促します。これにより、一方的なコミュニケーションから双方向のコミュニケーションへと転換し、ブランドとの関与を深めることができます。

さらに、ゲームの楽しさや競争心を刺激することで、ユーザーは継続的にブランドに関与し、一度築かれた注意や関心を長く維持し、育むことが可能になります。

定期的なミッションやレベルアップの仕組み、あるいはチーム戦や個人での競争要素を取り入れることで、ユーザーが「つい続けたくなる」心理を作り出し、長期的なエンゲージメントの促進に繋がります。

ゲーミフィケーションはゲームの進行とユーザーからの情報収集を連動させることで、ユーザーの同意を得た上で自然な形でファーストパーティデータを取得できます。

貯まったポイントで交換できるクーポンの種類などから、ユーザーの細かい属性や嗜好を把握し、パーソナライゼーションに活用できます。

この仕組みにより、ブランドはユーザーを深く理解できます。ユーザーも自分に合った特典を得られます。結果として、双方にメリットのある関係性が構築され、ブランドとの繋がりが継続する好循環が生まれます。

ゲーミフィケーションを導入することで、ブランドに「楽しくダイナミック」なイメージを持たせることもできます。これにより、競合他社との差別化を図ることができ、魅力的で記憶に残りやすく、ポジティブな印象や信頼感を高める効果が期待できます。

商品やサービスそのものの価値だけでなく、ゲーミフィケーションによる「体験価値」を加えることで、ブランドとの関係性がより深まります。

ゲーミフィケーションでCXを改善するポイント

ゲーミフィケーションでCXを効果的に改善するための7つの重要なポイントを、具体的に解説します。

ゴール設定

ユーザーが目指すべき目標を明確に設定し、それを達成しやすい小さな「ミッション」や「段階ゴール」に分解することで、ユーザーは継続的にモチベーションを維持できます。目標達成時の報酬やフィードバックを通じて、達成感と満足感を提供し、次の行動へと繋げます。

世界観の構築

ゲーム全体を通じて一貫したストーリーやテーマ「世界観」を設定することで、ユーザーはより深くサービスに没入し、感情的な繋がりを感じることができます。これにより、単なる機能的な価値だけでなく、「体験価値」を加えることでCXを向上させます。

オンボーディング設計

ユーザーがサービスを初めて利用する際の体験を円滑にするための「オンボーディング」は、継続的なエンゲージメントを築く上で決定的な要素です。複雑な操作やルールは初めにわかりやすく示すことで、ユーザーが挫折することなくサービスに慣れることができます。例えば、「最初から全部教えない」「成功体験を積ませる」「直感的に操作できる」といった工夫が重要です。

可視化の徹底

ユーザーの行動や達成状況、進捗、メリットを明確かつわかりやすく「可視化」することが極めて重要です。例えば、貯まったポイントの残高、達成までの道のり、目標達成度などが直感的に理解できるように表示されることで、ユーザーのモチベーションを維持し、次の行動を促します。これにより、ユーザーは自身の成長や進捗を実感し、CXにおける達成感を得られます。

ソーシャル要素を組み込み

ユーザー同士の競争、協力、交流を促す仕組みを導入することで、エンゲージメントの持続性を高め、コミュニティ感を醸成します。他者との比較や協力は、ユーザーが「つい続けたくなる」心理を生み出し、ブランドへの愛着を深める要因となります。


継続的なチューニング

ゲーミフィケーションは一度導入したら終わりではなく、ユーザーの行動データやフィードバックに基づいて継続的にチューニング(調整)していくことが不可欠です。これにより、ユーザーの飽きや離脱を防ぎ、長期的なエンゲージメントを維持することができます。

「おもてなし」の精神を組み込む

日本独自の「おもてなし」の概念をゲーミフィケーションに組み込むことで、ユーザーに「大切にされている」という感情的な体験を提供できます。単なる機能的な報酬だけでなく、心のこもった配慮やサプライズ、共感的なコミュニケーションを通じて、ユーザーのCXを深く豊かなものにします。

CXやデジタルマーケティングについてゲーム形式で学べるツール

Sprocketではゲーミフィケーションを取り入れ、ゲーム形式でCXやデジタルマーケティングについて学べるツールを提供しています。気になるものがありましたら、ぜひ体験してください。

すごろく形式でCX改善について学べる「CXゲーム」

CXゲーム

「CXゲーム」は、CXの重要性は理解しつつも、具体的な取り組み方がわからないという企業向けに開発された、すごろく形式のゲームです。

プレイヤーはECサイトの訪問者となり、様々な体験を通して「CXポイント」を貯めて競い合います。

「CXゲーム」の詳細はこちら

自社の最優先課題を特定できる「デジマクエスト」

デジマクエスト

「デジマクエスト」は、ゲーム感覚で質問に答えるだけで、自社が取り組むべきマーケティング課題を数分で明確にできる診断型インタラクティブコンテンツです。

専門知識がなくても直感的に操作でき、診断結果に基づいて最適な解決策の提案も受けられます。

「デジマクエスト」はこちらから無料でプレイできます


デジタルマーケティングの課題を可視化する「デジマあるあるすぎるよカルタ」

デジマあるあるすぎるよカルタ

「デジマあるあるすぎるよカルタ」は、デジタルマーケティングの現場で頻繁に起こる課題を「あるある」ネタとしてカルタ形式で表現した、ブラウザで遊べる無料のコンテンツです。

ランダムで表示される10枚の札から、自社に当てはまる札を選ぶことで、デジタルマーケティングのレベルを把握できる診断ゲームとしても活用できます。

「デジマあるあるすぎるよカルタ」はこちらから無料でプレイできます

メルマガのCXを改善する「うざいメール体験カードゲーム」

うざいメール体験カードゲーム

「うざいメール体験カードゲーム」は恋愛メールを題材に、どのようなプロモーションメールがユーザーに不快感を与えてしまうのかを体験的に学習できるカード形式のゲームです。

プレイヤーはまず、相手の状況がわからないままメールを送ることで、意図せず相手を不快にさせてしまう状況を体験します。次に、相手の情報を得た上でメールを送るパートを通じて、顧客情報を活用したパーソナライズされたコミュニケーションの重要性を理解することができます。

「うざいメール体験カードゲーム」の詳細はこちら

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