Sprocketを導入することで、400社以上の企業がCX改善を実現しています。実践に取り入れられるヒントが満載の代表的な事例をピックアップしました。
トライグループが高速PDCAでCVRを大幅改善し、テレビCMの効果を最大化!
テレビCMや広告から流入したお客様をどのようにしてスムーズに資料請求まで導くか
――トライグループ様といえば、テレビCMのイメージがあります。まずはトライグループ様について教えていただけますか?
廣野氏:一言で言えば、マンツーマン指導を軸とした総合教育会社です。「家庭教師のトライ」が最も認知度が高いですが、教室でマンツーマン指導を行う「個別教室のトライ」をはじめ、全国どこにいてもマンツーマン指導が受けられる「オンライン個別指導塾」や通信制高校のサポート校である「トライ式高等学院」など、さまざまなお悩みにお応えすべく幅広くサービスを展開しています。
当社は全国で放映しているテレビCMに強みがあり、その反響もあってWebサイトには多くのお客様がアクセスいただいています。CMでの反響を最大限生かすためにもWebサイトでのCVR改善は非常に重要な課題ととらえています。
――マーケティング施策において、Webサイトはどのような位置づけなのでしょうか?
廣野氏:先ほど申し上げたとおり、弊社はCMクリエイティブに強みがあります。ただ、30秒のCMではサービスの詳細までしっかりと理解していただくことは難しいと考えています。そのためWebサイトでは、「どのようにしてトライで成績向上が可能なのか」といった、お客様にトライの良さを知ってもらうことを重視しています。
Sprocketを導入した理由は「運用支援」と「小回りがきくこと」
――導入時、ほかの接客ツールと比較した際の決め手は何でしたか?
廣野氏: CVR改善についての知見が社内にないところからの導入でしたので、運用支援として伴走いただける体制が整っていることが決め手となり、Sprocketの導入を決定しました。Sprocketはツールの自由度が高く複雑なシナリオも設計できるのが強みであると感じております。また、スピード感をもって必要なときにすぐにポップアップを掲出できたりと、小回りがきく改善施策を行えるので非常に助かっています。
CVR170%改善!広告経由の効果が目に見えて改善
――具体的に、Webサイトではどのような施策を実施されているのでしょうか?
廣野氏:トップページや各学年のページなど、年間でアクセス数が多いページでのA/Bテストは常に実施しています。一方で、SprocketのWeb接客はシナリオを設定すればすぐに実施できるので「今のシーズンは、こうした訴求を行えばCVRが上がるのではないか?」といったクイックな仮説検証を行う目的でも活用しています。
――実際にSprocketを3年近く利用いただいていますが、全体的な成果はいかがですか?
廣野氏:広告経由の効率が目に見えて改善していることを実感しています。施策によっては170%改善なども確認できており、とてもインパクトのある結果だと思っています。特に繁忙期はサイトへの流入が増えますので、0.1%のCVR改善でも大きな価値があります。
――それぞれの施策はどのように考えているのですか?
廣野氏:田嶋さん(Sprocketコンサルタント)にも日頃サポートしていただいております。「このようなページ遷移をしているということは、おそらくユーザーはこのような情報を求めているのではないか」などの分析と仮説から、お客様に最も満足していただけるようなシナリオ設定や表現のご提案をいただいています。
我々もGAなどを見て分析・仮説立ては行っていますが、サイトを改修するとなるとCVRが低下するリスクもあり、なかなか実装まで踏み切れません。「まずはSprocketで実装してみよう」と気軽に仮説検証ができるのは非常に助かっています。サイト改修となるとやはり費用や期間が必要になりますが、Sprocketであれば思いついたことをすぐに施策レベルに落とせるところがいいですね。
他の部署などを含め、社内で挙がった仮説をすぐに検証するため、当日中にポップアップとして実装するといったこともよくあります。
施策事例のご紹介
施策1:個別教室の主要ページへの誘導
――Webサイトでは、どのような施策を行われていますか?
廣野氏:初期から実施しているのは、個別教室のトップページで、よく閲覧されるページを案内するシナリオです。
田嶋(Sprocketコンサルタント):やはりトップページの流入が一番多いので、最初にご提案させていただき実施しました。弊社でユーザーの導線を分析し、GAのデータとも照らし合わせた上で遷移が多い、つまりユーザーのニーズが高いページをリストアップして案内するシナリオです。これは非表示と比較して資料請求完了率が125%と優秀で、継続して実施しています。
廣野氏:キャンペーンを推したいときは訴求内容を若干変えるなど、文言を細かくチューニングしながら長く実施しているシナリオです。
施策2:テレビ番組の紹介を見たユーザーの誘導
――テレビを見て流入したユーザー向けには、どのような施策を行っているのですか?
廣野氏:テレビで当社が取り上げられた際は、放送直後に多くの流入があります。以前テレビ番組で特集を組んでいただいた際、「トライ ○○(番組名)」で検索すると、ユーザーに見せたいページよりも古いページが表示されてしまう問題がありました。そこで、古いページに最新の放送内容を記載したポップアップを表示し、最新のページに遷移させる施策を行いました。
田嶋:流入は非常に増えましたよね。「最新のページはこちらですよ」という案内を出して、その先でも別のシナリオをあてることで多様なニーズに応えられるようにし、資料請求までの導線を作りました。
施策3:料金プランを案内
――キャンペーンページでは、どのような施策を行われていますか?
廣野氏:広告の遷移先として設定しており時期によってページでの訴求内容が異なるのですが、共通して成果があったのは料金について案内する施策です。
――やはり料金はお客様が気になるポイントなのでしょうか?
廣野氏:そうですね。特に家庭教師は地域やプランによって料金が異なるので、一律の料金表を出すことができません。そこで授業料について説明するページにご案内して、その後資料請求をしていただくように設定しました。
田嶋:これはいろいろとチューニングを重ねた結果、ページを50%以上スクロールしたタイミングで表示するように設定しています。最初は秒数でも設定していたのですが、お客様によっては設定秒数が経過する前に離脱してしまうのではないかという懸念もありました。スクロール条件であれば、ページの内容を半分は確認しているので、一定の関心を持っている対象にシナリオを当てることができます。このシナリオは、資料請求完了率が従来と比べ201%もの改善成果が出ています。
――サービスごとに、反応の違いはありましたか?
廣野氏:同じシナリオでもサービスごとにお客様の反応が違うのも発見でした。個別教室のページに流入するお客様は、直接資料請求フォームにご案内する施策のCVRが高かったのですが、家庭教師のページに流入するお客様は、料金ページを一度回遊してから資料請求フォームにご案内するほうがCVRは高い結果となりました。
塾であればどういうサービスかある程度想像がつくので、とりあえず資料を集めたいというお客様が多いのかなと。一方で家庭教師では、「そもそも家庭教師というサービス自体の理解を深めたい」というユーザーが多いのではと考えています。このような違いがお客様の反応の違いに表れているのでは、と考えています。
田嶋:サービスだけでなく、時期によっても差はありますよね。
廣野氏:はい。冬期講習や春期講習、夏期講習などでもそれぞれお客様のニーズは異なります。例えば春だとこれから1年間のパートナーを探している、夏だと夏期講習だけ受けたいと思っている、冬だと受験に向けた最後の追い込みを行いたい、などです。そうしたユーザー心理に合わせて、キャンペーンページでも施策の内容を検討しております。
施策4:資料請求ページの自動定型文で入力をサポート
――資料請求フォームのページでも、かなりユニークな施策を実施していると伺っています。
田嶋:これは私からご提案させていただいたものです。ユーザーが自由記述欄をクリックすると「定型文が入力できます」というご案内が出ます。気になる項目を選ぶとそのまま自由記述欄に自動で入力できるようになっています。
廣野氏:資料請求のタイミングでも、お客様がご自身のニーズを完全に把握されているわけではない場合もあります。そうした場合に「こんなこともお悩みではないですか」とお声がけすることで、スムーズに資料請求に促せます。施策を通じてまさに「接客」を実現できていると感じております。
施策5:近隣の教室探しをサポートして地域の検索ニーズに対応
――教室検索にも専用の施策を実施されていると伺っています。こちらはいかがですか?
田嶋:本件も私からご提案いたしました。サーチコンソールを見ると、地域名で検索して流入してくるお客様が多い状況でした。おそらく各地にあるトライ様の教室を見て検索されたお客様かと思います。さらにweb上の行動を分析すると、例えば神戸市では三宮駅前校のページへの流入が多かったのですが、三宮駅前校のページを見た後は近隣の教室のページへ回遊する動きが確認できました。そこで一部の教室に、近隣の教室ページへの導線を設置するシナリオをご提案しました。
廣野氏:神戸市の三宮駅と元町駅はすぐ近くにあるので、どちらの教室にも通えるお客様が、各校の特徴を知ろうとしているのではと仮説を立てました。そこで、特に流入が多い三宮駅前校のページを見ている方に「付近の教室を探す」という案内を入れていただきました。
田嶋:このシナリオでは、×ボタンを押して完全に閉じてしまうパターンと、×ボタンを押しても小さなアイコンを残していつでも近隣の教室を確認できるようするパターンにて検証を行いました。その結果、アイコンを残したほうが効果的なことがわかり、そちらを採用しました。資料請求完了率は、従来の146.2%に改善しています。
内製とコンサルをバランス良く活用
――伴走させていただいているコンサルタントについてはいかがですか?
廣野氏:当社では社内で立てた仮説をクイックに検証する際は内製で実施しています。一方でGAなどのデータを基に、複雑なページ遷移を促すようなシナリオや、実装にツールへの深い理解が必要なシナリオはコンサルタントの方にお願いしています。施策実装をすみ分けることで、短期でQuickWinを狙う施策も中長期的に大きなインパクトを狙う施策も実装ができており、大変助かっています。
田嶋:ありがとうございます。こちらも長らくお付き合いさせていただく中で「そろそろ繁忙期だな」「次はこの施策をやりましょう」など、ご提案と実装のスピードは年々速くなっている実感があります。
今後の展望
――最後に、今後の展望やSprocketを検討中の方へのメッセージをいただけますか。
廣野氏:トライでは「どこにいても最良の教育が受けられる」社会の実現のために、時間や距離の制約を超えて、すべての人に学ぶこと・成長することの喜びを届けられるよう、実施できる施策はすべて行っていきたいと考えています。
その上で、Webサイト上で「どのようなお悩みでもトライなら応えられる」と感じていただくこと、それをお客様自身に探していただかなくても、Sprocketなどのツールを活用して必要な情報が得られるようなサイトにすることを目指しています。
Sprocketは、適切な解決策を提示していただける伴走者として頼りになるだけでなく、社内の担当者自身も操作しやすいツールです。「自社で施策を回せる」ようになるとスピード感も増し、改善効果はさらに飛躍します。ぜひ一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
――本日はありがとうございました!
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