外出自粛や景況悪化の影響により実店舗が苦戦を強いられる一方、通販サイトやECモールは大幅に伸長しています。アパレル業界におけるECへの移行は今後も進むと考えられ、実店舗の役割にも変化が生じています。この資料では、パーソナライズや実店舗のような接客をECサイトで実現することによりコンバージョンを改善した企業の事例を実施した施策とあわせてご紹介します。
顧客データ連携で、パーソナライズしたWeb接客を実現! ベンダー乗り換えでツール経由の売り上げが1.4倍に増加
マガシーク株式会社では「MAGASEEK」、「d fashion」の2つのファッションEC事業を主力事業としています。自社サイト運営だけでなく、ファッションブランドや百貨店のEC運営の受託開発も行っています。
ECサイトのMAGASEEKは、2020年で20周年を迎えたこともあり、ファッションモデルとのコラボ、コスメカテゴリの新設など新しい取り組みを積極的に行っており、今まで以上に様々なファッションアイテムと出会えるECサイトとして進化しています。
データ連携を目的に、他社ツールからSprocketに乗り換え
1,500以上のブランドを取り扱う国内最大級のファッション通販サイト「MAGASEEK」。30代前後の女性をメインターゲットに、300万人を超える会員を抱えています。MAGASEEKでは、以前は別のWeb接客を使っていましたが、2019年6月頃からツール乗り換えを検討し始めました。
「現在、自社で持っている顧客データを活用した新しいマーケティング施策などを検討しています。Web接客においても顧客データと連携して、一人ひとりにパーソナライズしたシナリオでコミュニケーションしたいと考えていました。以前使っていたWeb接客ツールでは、データの自動連携ができないため、他のツールを探すことになりました。
データ連携ができるWeb接客ツールでは、Sprocketの他にもう一社検討していたものがありましたが、Sprocketの場合は専任のコンサルタントによる運用サポートがあることが決め手になりました。弊社では、MAなどを使った施策なども実施しており、リソース不足が課題となっていたため、Web接客については手をかけずに運用したかったからです。」(臼井氏)
「私は半年前からマーケティング担当になったので、着任した時にはすでにSprocketの運用が始まっていました。一つのシナリオでも、デバイスやユーザー属性に応じて、シナリオの出し分けなどを対応してもらっていて、安心感がありました。効果が高いものは継続して表示割合を増やす一方、効果がないものがあればすぐに止めるというように、適切に調整してもらっています」(星野氏)
複数のシナリオで、購入完了率が110-120%改善
最初に実施したシナリオがカート離脱防止です。商品をカートに追加した人に、「返品可能」「送料無料」「在庫切れの可能性あり」など購入を後押しするようなメッセージを表示しました。メッセージは、デバイス、新規/既存顧客などに分けて出し分けを行い効果を検証しました。もっともよいシナリオでの購入完了率は、非表示の場合と比べて120%となっています。
クーポンの利用期限を告知するシナリオでは、購入完了率が110%の改善となりました。
「シナリオを実施したクーポンは、配布上限が1万枚と決まっているクーポンでした。以前実施した際に配布上限にはすぐに到達するのに利用率が低い、獲得はされるのに利用してもらえないという課題が浮き彫りになったので、獲得してくれたユーザーにクーポン利用をリマインドしたいと考え、専任コンサルタントに相談しました。カウントダウンを入れたいという急な要望への対応や、弊社側のセグメント設定の不備による調整なども即座に対応いただいたのが印象的です。」(星野氏)
なお、このシナリオの結果では、デバイスによって行動に違いが現れました。
「仮説では、カウントダウンがあるほうが利用率が上がると考えていました。しかし、スマートフォンの場合は、時間の猶予が長いときはシナリオを提示したほうが効果が高いのですが、利用期限まで24時間を切ると表示しないほうが購入完了率が高まるという結果となりました。仮説と異なるユーザー行動は、Web接客を実施してみて初めて発見できます。こうした傾向は他でもあるのか、今後慎重にデータを蓄積して検証を深めていきたいです。」(星野氏)
他には、ECサイトの機能である「好きなショップ登録」「お気に入り登録」などの機能に誘導するシナリオを実施しており、ここでも購入完了率の120%の改善になるなど成果が見られています。
「ヘビーユーザーほど、サイト内の機能をよく知っており使いこなしているため、機能の認知を高める施策を実施しました。機能を知り、サイトを使いこんでいただくことで購入完了率が高まっています。」(臼井氏)
データ連携でパーソナライズしたメッセージシナリオが可能に
2020年4月以降、当初の計画にあった顧客データと連携したシナリオを実施しており、データ連携前に比べて3−5%改善率が上昇しています。
「実施したシナリオの一つが、ユーザーが保有しているポイント数に応じてメッセージを表示するシナリオです。例えば500ポイント以上持っている人が商品詳細ページを見ている時に『ご利用可能なポイントがあります』というメッセージを出して、ユーザーの購買動機を作っています。デバイスや表示タイミング、保有ポイント数でユーザーの反応が変わるのは興味深いです」(星野氏)
最近は、社内からのSprocketへの期待も高まっているとのことです。
「データ連携ができるようになり、活用の範囲が増えてから、他の部署の人から『こんなお知らせを出せないか』『新しいコンテンツの効果的な訴求がしたい』という相談を受けるようになりました。サイト内バナーでは見落とされてしまう内容を、Sprocketではポップアップで効果的に伝えられますし、簡単に設定できるので、活用の期待が高まっています。」(臼井氏)
Sprocketコンサルタントのサポートに加え、自社での設定運用も
Sprocketコンサルタントによるシナリオの企画、提案についても高く評価しています。
「自分たちで新しい企画を考える時間がなかなか取れないので、複数のシナリオを積極的に提案してもらい、そのアイデアをこちらでブラッシュアップして実施を決めています。コンサルタントとは密なコミュニケーションができており、信頼して任せられています。」(星野氏)
「以前のツールと比べると、Web接客ツール経由の売り上げは1.4倍になっています。サポートがあるおかげで、実施するシナリオの手数が増えたので、いろいろな検証ができている成果だと思います。地道なモニタリング、検証、改善ができているのも大きいです。」(臼井氏)
なお、定期的なクーポンの配布など、一部のシナリオは星野氏が自らSprocket管理画面から設定しています。
「新しく実施するシナリオやデータ連携が必要なものは設定をお願いしていますが、すでに実施したシナリオのチューニングや更新は私が設定しています。管理画面から直感的に設定できるのでわかりやすいですし、日々アップデートされて使いやすくなっています。自分で設定することで、シナリオを実施するまでの時間を短くできるようになりました。」(星野氏)
ゼロパーティデータを活用したシナリオの出し分けを実現したい
今後は、さらに積極的な活用を目指しています。
「年末年始は、クリスマス、お正月などイベントが続くので、お祭り気分を盛り上げて楽しくお買い物をしていただけるように、くじなどゲーム性のある企画を考えたいです」(星野氏)
「Sprocketでアンケートを実施して、そのアンケート回答を元に出し分けをするようなシナリオを実施したいです。メールでのアンケートはメールが届いた方しか確認できませんが、web接客であればサイトを訪れた方すべてに見てもらえます。アンケートのようなゼロパーティデータをSprocketで収集、分析して、よりユーザーの好みやニーズにマッチしたパーソナライズしたシナリオを実施できればと考えています。」(臼井氏)
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