【生活・雑貨・小売事業者必見】ECサイトの顧客体験改善事例3選
物販系業界は店舗休業などを受けオンラインシフトが進んでいます。顧客接点のデジタル化は今後も加速していくものと思われます。ECサイトにおける顧客体験の改善を実現した先行企業の事例から、実践的な成功のノウハウを解説します。
サンリオ株式会社 マーケティング本部 デジタル統括部部長 田口 歩氏、デジタル統括部 主任 角谷 治美氏にお話を伺いました。
サンリオ公式サイトでは、トップページに最新情報が掲載されています。各キャラクターのページでは、そのキャラクターの最新情報やスペシャルコンテンツ、SNSの発信、基本データなどを見ることができます。
「公式サイトは、現在ファンの人だけでなく、過去に好きだったという人にもキャラクターの魅力を思い出してもらえるような場所であると同時に、知らないキャラクターとの新たな出会いの場所になることを目指しています。サンリオをもっと好きになってもらえるように、お客様とキャラクターとの絆づくりを意識しています」(田口氏)
「コンテンツは基本的にすべて内製で作成しています。それぞれのキャラクターの世界感を伝えるために、画像はもちろん、言葉のセレクト、☆、♪などの記号の使い方、語尾など細部にまで徹底的にこだわって制作しています」(角谷氏)
魅力的なコンテンツが満載の公式サイトですが、一方で課題も感じていました。1つは情報量が多すぎること。
「新商品発売、他の企業様とのコラボ、イベントなど、様々な情報がありますが、すべては発信しきれません。情報は単なるニュースではなく、ファンとの絆のためにあるという考えのもと、お客様が喜ぶ情報を選んで配信しています。それでも情報が多すぎて、すぐにトップから流れていってしまうのです」(田口氏)
最新情報は、各キャラクターのSNSでも配信していますが、SNS経由のユーザーならではの課題もありました。
「SNS以前は、メルマガ経由で訪問する方が多く、複数のコンテンツが閲覧されていました。しかしSNS経由の場合、そのニュースだけ見てすぐにサイトを離脱する方が多いのです。季節のイベントのコンテンツは、リリース直後にお知らせすると、数万単位のアクセスがあります。しかし、同じ情報を何度も配信できないので、時間が経つほどアクセスが減少してしまって。制作担当者が労力と思いを込めて制作していることを知っているだけに、アクセス解析をしながらつらい思いもしてきました」(角谷氏)
同じ情報の再配信に関する課題は、ニュースにもありました。
「新商品のリリースは、発売の数週間前に発表します。本当はユーザーが一番動きやすい発売直前、発売当日に再度発信したいのですが、ただでさえ情報が多い中で、同じ内容を配信することができないのです」(角谷氏)
伝えたい情報がたくさんある一方、お客様にとってベストなタイミングで情報を案内するにはどうしたらいいか、悩んでいたのです。
田口氏が最初にスプロケットを知った時は、ゲーミフィケーションのツールとして関心があったといいます。
「最初私たちは、Webサイトをファンの方に楽しんでもらってエンゲージメントを高める場所にしたいという想いからゲーミフィケーションがマッチすると考えました。その後、メルマガの会員獲得にも活用したのですが、サイトの事情もありなかなか成果が出せませんでした。そして、活用方法を様々模索する中で、サイトへの1訪問の価値を高めることができないか、という方向で検討するようになりました。ニュースだけ見て直帰するのではなく、他にもいろいろなコンテンツを見てもらうことで、1訪問の価値をあげようと考えたのです」(田口氏)
「サンリオのサイトを訪問する人は、楽しむために来ています。忙しい時や必要な情報を探しているわけではないので、『他におもしろいことないかな』と思っているタイミングで、『もっと楽しい情報があるよ』と案内できたらと考えました」(角谷氏)
そこで、クリスマスの日までをカウントする「アドベントカレンダー」を用意したスペシャルコンテンツを案内するシナリオを実施することになりました。公開前は「クリスマスのスペシャルコンテンツが始まるよ」、公開後は「アドベントカレンダーが始まったよ」、クリスマス直前には「プレゼントがあるよ」というように、時期に応じてメッセージを変更しました。
「シナリオを実施してからキャラクターディレクトリの直帰率が約20%低下しました。それに伴い、多くのユーザーが流入した結果、クリスマスのコンテンツの訪問数、PVなどのKPIも達成できました。シナリオによる誘導が1つの大きな流入経路になり、期間中ずっと多くの方に見ていただいたので、とても満足しています」(角谷氏)
現在は、シナモロールのファンクラブに誘導するシナリオを実施しています。
「サンリオ公式サイトは、サンリオのファンが集まる場所ですから、Web接客で適切なターゲットに案内することで、うまく会員獲得につながっています。会員獲得に広告はマッチしませんし、スプロケットがなかったら、ニュースのトップでしか誘導できないので、会員獲得の目標達成が難しかったと思います」(角谷氏)
ECサイトや資料請求サイトのように明確なコンバージョンが定義しにくい公式サイトですが、どのようにスプロケットの評価をしているのでしょうか。
「広告流入のCPC(Cost per Click:クリック単価)を参考に、流入単価の目標を決めています。現在は、サイト内から別のコンテンツに移動したかを見ています。閲覧ページ数まで評価していきたいので、KPIの計数化についても、Sprocket社の担当者と検討しているところです」
シナリオについては、角谷氏がイメージを伝えて、Sprocket社の担当者が具体化しました。
「ざっくりした依頼から的確にシナリオに落とし込んでいただき、ストレスなく進めることができました。クリエイティブをかわいく作れることも気に入っています。サンリオの強みであるかわいさを活かせるのがうれしいですね」(角谷氏)
ファンを楽しませるコンテンツを案内できることから、これからもスプロケットを積極的に活用していきたいとのことです。
「サンリオにとって、キャラクターは友達で、公式サイトは友達に会える場所。友達と会うのは楽しいことですから、ゲーミフィケーションのような楽しさを実現したい、と考えています。また課題だったニュースは『今日から発売』など、適切なタイミングでお知らせするシナリオにも取り組みたいですね」(角谷氏)
「重要なのはファンとキャラクターのエンゲージメントを高めること。今よりもっと好きになってもらうために、スプロケットで1訪問の価値をどれだけ高められるかに挑戦したいです。シナリオはまだまだ”まじめ”だと思うので、シナリオの先が想像できないような、ユーザーの期待を超えたおもしろいことに挑戦してみたいです。サンリオのサイトだからこそできるような遊び心のあるシナリオができるといいですね。それから、サンリオではCRMや1to1のコミュニケーションにも取り組んでいます。今はまだ会員の仕組みはありませんが、 いずれ個々のお客様の好きなキャラクターを踏まえた上で、お客様に合わせたシナリオを提供できたらもっとよいですね。サンリオとファンのハッピーなコミュニケーションを通して、ブランド愛を高めてもらえたら嬉しいです」(田口氏)
ユーザーの行動データを活用したデータ分析による、好みのキャラクターの傾向分析などでもスプロケットがご支援できそうです。
【生活・雑貨・小売事業者必見】ECサイトの顧客体験改善事例3選
物販系業界は店舗休業などを受けオンラインシフトが進んでいます。顧客接点のデジタル化は今後も加速していくものと思われます。ECサイトにおける顧客体験の改善を実現した先行企業の事例から、実践的な成功のノウハウを解説します。
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