複雑な情報も、ユーザーの知識やITリテラシーに合わせ利用者に寄り添ったWeb接客で、購入完了率が最大145%に改善

ECサイトヘルスケア

株式会社DeNAライフサイエンス 様

2017年6月よりMYCODEのWebサイトにWeb接客ツールSprocket(スプロケット)を導入しています。導入を担当した、R&Dグループ 石川氏、田中氏にお話をうかがいました。

写真:株式会社DeNAライフサイエンス 田中氏、石川氏

DeNAグループでヘルスケア事業を担う子会社として2014年に設立された株式会社DeNAライフサイエンス。同社では、健康寿命の延伸を目指した事業を展開しており、病気になってから対処するのではなく、健康なうちから病気を予防する「SickケアからHealthケアへの転換」に注力しています。主力サービスは、自宅で唾液を採るだけで、がんや生活習慣病などの病気発症リスクや体質の遺伝的傾向を知ることができる、遺伝子検査「MYCODE[マイコード]」(以下、MYCODE)です。

MYCODEは受けたあとの意識改革が重要

MYCODEの遺伝子検査はとても簡単です。まず申込後に送付される専用キットに唾液を採取し郵送すると、専門の解析センターで分析され、郵送から2−3週間で、検査結果がWebサイトのマイページから確認できるようになります。カスタマーサポートも充実しており、検査前後の質問や問い合せには、専門のカウンセラーや管理栄養士が対応します。検査メニューは「ヘルスケア(検査レポートブック付)」「ヘルスケア」「がんパック」「ディスカバリー」の4つ。

「最も利用者が多い『ヘルスケア』の検査では、最大280項目にわたる疾病リスクや体質の遺伝的傾向がわかります。レポートは、リスクの高い項目から見てもらえるように、利用者に合わせた構成になっています。さらに検査結果をお返しするだけでなく、病気に関する詳細な説明や予防へのヒント、栄養が効果的に摂取できるレシピなども掲載しています。マイページの情報は最新の研究を受けて内容を適宜アップデートしており、検査後はいつでもご確認いただけます」(田中氏)

一方、「ディスカバリー」は、祖先のルーツや体質の傾向などがわかるエントリー向けのパッケージ。

「『ディスカバリー』は祖先のキャラクターが登場するなど、わかりやすくて楽しいパッケージです。単独でも受けられますが、『ヘルスケア』を受けられた方はおトクに試せるので、追加される方が多いですね」(田中氏)

簡単に検査でき、医療の専門知識がなくとも検査結果が理解できるような工夫がされているMYCODEですが、扱う情報が遺伝情報というセンシティブなデータであるために、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格「ISO/IEC 27001:2013(JIS Q27001:2014)」の認証を受けるなど、厳重なセキュリティーを確保しています。さらに、特定非営利活動法人 個人遺伝情報取扱協議会(CPIGI)が定める「CPIGI認定」(※)を受けた、健全・適正なサービスであると認定されています。

「自治体とも一緒に取り組んでいます。神奈川県は、MYCODEを平成27年度 未病市場創出促進事業の販売商品として指定しています。検査を受けることで、普段の食事の栄養バランスを意識したり運動をするようになるなど健康意識の向上がみられるので、社会的な貢献も大きい事業です」(田中氏)

※CPIGIが定める「個人遺伝情報を取扱う企業が遵守すべき自主基準(個人遺伝情報取扱事業者自主基準)」を遵守し、健全・適正に遺伝子検査サービスを提供していることを、公平・中立的な観点から審査・認定し、当該サービスに関して、CPIGI認定マークの使用を認める制度です。

写真:株式会社DeNAライフサイエンス 田中氏

田中氏はMYCODEのマーケティング全般を担当

Webサイトの購入が8割。複雑な情報をどう発信するか

MYCODEは公式Webサイトのほか、外部のECサイト、一部小売店でも購入できますが、8−9割はWebサイトからの購入とのこと。

「Webサイト経由での購入が多いので、MYCODEの検査で何ができるのか、情報を正確に伝える必要があります。例えば、MYCODEはヘルスケアの事業なので、そのミッションから外れる親子鑑定は含みません。検査内容を誤解されないように気をつけて発信しています。

サービスを開始直後の購入者は、典型的なアーリーアダプタータイプの人がほとんどで、手軽な遺伝子検査サービスに関心があり、検査内容も理解している人が多かったです。また、ITや技術に詳しい人が多く、Webサイトで情報を探すことに慣れている方が多かったという印象があります。

最近は、サービスの認知が広がり、高齢の方やクチコミで知った方の購入も増えており、ユーザーの知識やITリテラシーにばらつきがでるようになりました。Webサイトは1つしかないので、もっと情報を親切にしないといけない、と感じるようになりました」(石川氏)

実は、スプロケットを導入する前に、別のWeb接客ツールを利用していましたが、思ったような成果が出なかったそうです。

「そのツールでは、クーポンの配布など価格の情報を伝えるための利用にとどまっていました。自分で設定をするのですが、それも大変で活用しきれていなかったのです」(石川氏)

「そのツールは、訪問した方をすぐに購入まで連れて行くような接客が得意でした。しかし、MYCODEは訪問してから購入までの距離が長い商品です。まず、どんな結果が分かる検査ができるのかわからない、プランの違いを知りたい、申込後の流れを知りたいなど、購入前に訪問者の疑問を解決しないといけません。 スプロケットのWeb接客の場合、訪問者に寄り添って知りたいことを案内してくれるので、MYCODEとの親和性が非常に高いと感じました。シナリオの提案や設定などもSprocket社の担当者におまかせできるのも助かりました」(田中氏)

写真:株式会社DeNAライフサイエンス 石川氏

石川氏はMYCODEのWebサイトを担当

購入完了率は最大145%に!2つの効果的なシナリオ

スプロケットのシナリオでは、すでに複数の接客パターンを導入していますが、特に成果が上がったシナリオは、次の2つです。

遺伝子検査MYCODEを理解してもらうための声掛け

トップページの訪問者に声をかけて、「検査でわかること」「プラン」「検査の説明」の3つから知りたいことを選べるようにしました。訪問者が自分でWebサイトの中から必要な情報を探すのではなく、Web接客で誘導しながらサイトを回遊してもらい、内容を把握してもらうようにしました。結果、購入完了率は、表示しない場合と比べて最大145%となりました。

プランの紹介ページでの後押し

プランの紹介ページは、購入する人のほとんどが通過するページです。購入意欲が高まった人に向けて、検査後に専門家のアドバイスを受けられることや健康診断の割引サービスがあることを伝えました。

「このシナリオは、Webサイトではうまく打ち出せていなかったMYCODEの付随サービスを伝えることで、購入の後押しができました。購入前にさらにサービスの理解を深めてもらうことができたので、とてもよいアイデアだと感じました」(石川氏)

このシナリオでは、購入完了率は、表示しない場合と比べて最大131%となりました。

イメージ:プラン紹介ページで購入を後押しするポップアップ

シナリオを通してわかったWeb接客の可能性

購入の促進に大きく効果があったこと以外にも、スプロケットのWeb接客を導入してよかったことがあるそうです。

「ポップアップに表示するメッセージやボタンなどを簡単に変えられるので、複数パターンを試しました。こうした改善がすぐにできることで、訪問者のニーズにあわせた情報提供ができました」(石川氏)

「Webサイトの情報は、自分たちだけで考えるのは限界があると感じました。私たちは、MYCODEのことが好きすぎて、サービスのことを訴求しすぎてしまうのですね。第三者の視点からシナリオを提案いただいて、今まで見落としていた検査後のサービスに光をあててもらい、その訴求力に改めて気づき、知見を得られました」(田中氏)

写真:株式会社DeNAライフサイエンス 田中氏

お客さまに寄り添ったWeb接客をスプロケットで実現したいと田中氏

検査後も長期的に寄り添えるようにWeb接客を活用したい

今後のスプロケットの活用について、短期的、長期的の2つの観点から聞いてみました。

「価格を下げたキャンペーン時は、通常のWeb接客シナリオがあまり効果を発揮しません。Sprocket社の担当者によれば、これは弊社だけでなく他の企業でもその傾向があり、普段とは異なるタイプの方が訪問されているのだそうです。まずは、この方たちに向けた最適な接客シナリオをを考えていきたいですね」(石川氏)

「大きい目標としては、MYCODEの価値をさらに高めることです。遺伝子検査自体は基本的に一度受けたら完結する検査で、通常は検査結果をどう活かすかはお客さま次第という側面があります。ですが、MYCODEは検査を受けて終わりでは無く、結果をふまえてその後の健康活動につなげていくこともサポートしています。接点はWebサイトのマイページしかないので、検査後も長期的に寄り添って、健康意識を高めたり、生活改善をより促していけるように、マイページにもスプロケットを導入して、個人をサポートするような接客を強化したいです。」(田中氏)

スプロケットの接客により、直接的な売上への貢献だけでなく、サービスそのものの価値も上げられるというお二人。より多くのシーンで活用いただけるよう、支援を続けていきます。

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