コンバージョン率は10倍にUP、CPOは1/10まで削減。バズらなくても、商品が売れる動画マーケティング

ECサイト化粧品

ガシー・レンカー・ジャパン株式会社 様

複数のシナリオを実施した結果、特にスプロケットガイドバナーに動画を取り入れたシナリオで、CPO(注文獲得単価)がオンライン広告に比べて約1/10まで削減、さらに商品購入のコンバージョン率も10倍以上になり、高い効果があった。同社のデジタルマーケティング部シニアマネージャー藤原尚也氏にお話をうかがった。

ニキビケア「プロアクティブ」を販売するガシー・レンカー・ジャパン株式会社では、ウェブ接客ツールSprocket(スプロケット)を2016年3月に導入。(この取材は、2016年7月に実施しました)

オウンドメディアからコンバージョンにつなげられるのか?

ニキビケア「プロアクティブ」を販売するガシー・レンカー・ジャパン株式会社では、商品を販売する公式サイトに加え、ニキビ対策のオウンドメディア「ニキペディア」を運営している。オウンドメディアはニキビに悩む人に向けての情報発信サイトだが、集めたユーザをどうやって商品購入に導くのか。それが一番の課題だった。

もちろん、何の施策も講じなかったわけではない。ポップアップでクーポンや送料無料の特典を訴える、他社のウェブ接客ツールをすでに導入していた。しかし、それだけでは人は動かない。

「ダイレクトサミット」でスプロケットを知った藤原氏は、ユーザの状態に合わせたシナリオでピンポイントな情報を届けられるスプロケットは、まさに自社の課題に対してぴったりのツールだと感じ、導入を決意した。そしてスプロケットのシナリオとして、カスタマージャーニーに合わせて、以下の3つのパターンを実施した。下に行くほどコンバージョンに近いシナリオになる。

3つ目のカート離脱防止のシナリオはスプロケットの勝ちパターンの1つであり、今回も成果があがった。しかし、今回藤原氏が最も評価しているのが2つ目のシナリオだ。

写真:ガシー・レンカー・ジャパン株式会社 藤原尚也氏

動画を使ったシナリオが実現できたことが良かったと藤原氏

実現したかったのは、スマホの「ながら利用」を活かした動画マーケティング

ニキビの症状などのキーワードで検索をした人に、ニキペディアのピンポイントのコンテンツを表示する。施策では、その情報ニーズにマッチした動画をスプロケットで流す仕組みを用意した。例えば、「思春期ニキビ」なら、モーニング娘。’16の工藤遥さんが登場する動画、「大人ニキビ」なら20代、30代向けのニキビケアの動画といった具合だ。具体的なキーワードと表示するコンテンツページ、さらにスプロケットのポップアップで流す動画の種類をセットに、こまかくシナリオを決めたのだ。

「スプロケットのおかげで、イメージした通りに、必要なお客さまに、必要なタイミングで、必要な情報を出せるようになった。」と藤原氏。

しかも、それだけではない。「シナリオごとにABテストができ、良い結果が出る方に最適化していくこともできる。自分が思い描いていたやりたいことができる理想的なツールだった」と評価する。

藤原氏がコンテンツと同時に動画を流すことにこだわったのは理由があった。「スマートフォンは『ながら』のメディア。テレビを見ながらスマホをさわる、テレビで見た情報をスマホで検索してコンテンツを見る、というのが日常になっている。そうであれば、スマホでコンテンツを読みながら関連する動画を見るというのもマッチするはず」と藤原氏は仮説をたてた。このアイデアが他のツールでは実現できなかったが、スプロケットはすぐに対応できた。

バズらなくても、商品が売れる動画マーケティングをやりたい

藤原氏が動画にこだわるのは理由がある。「『感動した』『ウケた』という理由でバズる動画ではなく、商品が売れる動画を作りたかった」と藤原氏。巷には、バズる動画はあふれており、「何100万回再生されたから成功した」と評価されている。しかし、その動画はビジネスに対してどう影響を与えたのか。「成功したと言っている人に聞いても、商品が売れたという話は出てこない。それでは、我々にとっては価値が無い」と藤原氏は正直に語る。

そして、実際にスプロケットで動画を見せることで、1ヶ月半で商品が100個以上売れた。「この短期間で動画経由で100個以上売るというのはすごいこと」と藤原氏。コンバージョン率で見ると、通常のDMPを使った広告配信の10倍の効果が出ている。

最も重視しているKPIであるCPO(注文獲得単価)でも、DMPで動画を配信する場合の1/10、SNSのタイムライン広告の1/6となっている。藤原氏は「直接、コンバージョンが出るのは画期的だ」と絶賛する。

「動画マーケティングをやりたいが難しいと思っている担当者は多いでしょう。スプロケットを使って、自社サイトに来た人にマッチする動画を見せれば、ちゃんとコンバージョンすると自信を持っておすすめしたい」と藤原氏は語った。

イメージ:記事を読みながら動画再生できるポップアップ

藤原流、売れる広告動画の作り方

今回の事例で使われている動画は「必要な人に必要な情報を見せる」ことを前提にして制作した。具体的には、コンテンツごとに最適な動画を出せるように、6分間の動画を1分弱のチャプターに分けているのだ。この動画とスプロケットが組み合わせることで、コンテンツを読んでいる人に、マッチした動画を見せる、という藤原氏の理想が実現できたのだ。この方法を「動画マーケティングの成功パターン」と藤原氏は表現した。

このパターンで新しい動画も作成した。1つは、モーニング娘の工藤遥さんのドキュメンタリータッチ風の動画だ。彼女のアイドル活動を支える家族がいて、ファンがいて、そしてプロアクティブがある、というストーリーだ。「家族のチャプターは、子どものために商品を購入する親世代に向けて、ダンスのチャプターは彼女と同世代に向けて」というように、ターゲットを意識して作成しているとのこと。

さらに、工藤遥さんの動画が10代向けだとすると、20代、30代向けの動画も用意している。実は、こちらのターゲットのほうがコンバージョンは高い。動画では「大人ニキビ」という表現ではなく、20代、30代の日常のコミュニケーションで使われている「肌あれ」というキーワードを使っている。動画のシチュエーションについても、「職場の同僚との会話」なのか「友だち同士のカフェでの会話」なのか、検討を重ねてよりナチュラルな後者を選んだ。

悩んでいる人にマッチする動画を提供できるスプロケットがあることを前提に、こだわって新しい動画を作成したのだ。

シナリオ決定までのディスカッションがとても有意義だった

実は、スプロケットの導入が決定してからシナリオを決定するまで、数ヶ月の時間をかけている。これはSprocket社からの提案を受け、ディスカッションしながら、よりよいシナリオを双方でじっくり考えたからだ。

「他社の提案では、『こういうことをやった』という事例はあっても、その施策の結果の数値がはっきりしない場合が多いんです。『他社でやった事例ではこの数値が出たので、御社の場合はこれくらい出る』というように僕らの課題を理解して仮説まで持ってこられるのはSprocket社くらいです。一歩踏み込んだディスカッションができ、その時間がとても有意義だった」と藤原氏は振り返る。

新しい施策として取り組んでいるのが、ニキペディアを読んでいる人をマッチするLP(ランディングページ)に、画像やメッセージを使って誘導することだ。すでに、思春期ニキビなどのキーワードでリスティング広告は実施しており、キーワードごとのLPも用意している。しかし、「プロアクティブ」というような指名買いのキーワードに比べて、ボリュームは多いがコンバージョン率は低いということが課題だ。これまでは、仮説をたてて様々なタイプのLPを作り続けてきたが、長期間やっていると疲弊する。「スプロケットを使って違う切り口から、LPに誘導することができる」と藤原氏。この施策についても、まだ実施して1週間だがすでに効果が出始めている。

今後は、ニキビ診断のコンテンツを用意する予定があり、それにあわせてスプロケットで購入の後押しをするようなシナリオが作れそうだ、と期待を寄せる。

写真:ガシー・レンカー・ジャパン株式会社 藤原尚也氏

Sprocket社の提案のおかげで踏み込んだ議論ができたと藤原氏

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