うわっ…専用アプリ、社内の評価低すぎ?ダウンロード数以外で、アプリの導入効果を評価するには

マーケティング

イメージ:スマホのイメージイラスト

利用予約や来店予約などをできる専用のアプリを用意している企業が増えています。しかしアプリを作った後、アプリによる導入成果を正しく評価できているでしょうか。

そもそも、こんなことを考えるきっかけになったのは、飲食店チェーン店の来店予約ができる専用アプリ向けに、アプリダウンロードを増やすためのSprocketの活用方法についてディスカッションしたことでした。「アプリのダウンロードを増やす」という目的に対するSprocketの活用方法はそれほど苦労することなく、いくつかの有望な案を出すことができましたが、そもそもアプリのダウンロードをダウンロード数以外で、どのような視点で評価するべきか、ということに悩んでしまいました。

アプリ経由の来店者の売上の評価を追いにくい


飲食店のように実店舗を持っている企業にありがちなことが、データをぐるっと全体で追いかけることが困難ということです。

もちろん、アプリ経由で行われた予約の数や、1予約あたりの来店人数を追うことはできますし、実際に来店したかどうかも追えます。

しかし、アプリ経由で来店したお客さんが実際にいくら支払ったかを取ることは、オペレーションやレジの仕組み上できる場合とできない場合があります。またアプリを使っていないお客さんのデータが取れないため、アプリ利用者と非利用者の比較をうまく行うことが困難です。

売上を分解して、検証の指標を探す


こういう状況で、デジタルで完結する領域のみでうまくアプリの有効性を評価する指標は作れないものか?考えてみました。

売上を分解すると、以下のようになります。

売上=来店人数×客単価
来店人数=アプリ経由予約来店者数+アプリ非利用来店者数

ただし、アプリ非利用者については個人の特定ができませんので、同じお客さんが複数回来店しても区別できませんから、延べの来店人数としてしか数えることができません。

来店人数に関してはもう1つの視点から分解することができます。

来店人数=会計回数×平均グループ人数

例えば家族で来店した場合、親子4人連れだとすると会計回数は1回ですが、グループ人数としては4人となります。子供だと食べる量が少ないといったことはあるでしょうが、ここではややこしいので同じ量を食べるとします。

ここもお店によって来店人数を数えている場合と会計回数しか数えていない場合がありそうですが、アプリ経由の予約者かどうかをレジで判定するよりは、来店人数のほうが数えている企業が多そうなので、こちらはデータがあるものとします。

アプリ利用者の来店人数から評価する


この数え方をした場合、

売上=(アプリ経由予約来店者の会計回数×平均グループ人数+アプリ非利用来店者の会計回数×平均グループ人数)×客単価

となります。予約を要するタイプの店舗企業は、サービス系・飲食系など予約の有無にかかわらず一人あたりがお店で使うお金=客単価は大きく変わらないと思われますので、ここでは共通項とします。

そうするとアプリ利用者・非利用者の比較としては、平均グループ人数の違いはまず見たほうが良さそうです。

例えば予約をしたくなるシチュエーションとしては、子供や奥さんを待たせたくないお父さんという例が思いつきますし、あるいは忙しいビジネスマンが合間をぬって来店する場合なども思いつきます。

前者のようなタイプが多いとすると、平均グループ人数は多くなりそうです。お店からすればグループ人数が多いお客さんはお金をたくさん落としてくれるので、優良なお客さんと言えるでしょうから、こうしたお客さんをアプリで囲い込めていれば成果として考えやすくなります。

アプリ利用者の来店回数、利用時間帯から評価する

ただ本来のアプリ配布の目的からすると、会計回数=来店回数自体を増やしたいということがあるはずです。アプリ利用者の平均会計回数は出すことができますが、アプリ非利用者の平均会計回数は直接的には出すことができません。

そのため代替の指標を考えることになります。1つには、アプリ内でのアンケート収集という手があります。アプリ利用者に対し、利用前後で来店頻度が増えたかを聞いてみるのです。データの信頼性としては生データよりは下がりますが、現実的な手法かと思います。

他には、滞在時間や閑散時間帯の利用率を指標として取ることも考えられるかと思います。アプリ利用者は空いている時間帯を狙ってくるだろうと思われますので、アプリ非利用者よりも店頭での待ち時間が少なかったり、閑散時間帯を埋めることに役立っているのではないかという仮説には検証の価値がありそうです。こちらはアプリ利用者が予約している時間帯から回転数の向上に寄与しているかを見ていくということになるでしょう。

あとは単純に、アプリ利用者が年間利用する金額に対しどのくらいのコストをかけるのが妥当かという考え方です。1年で考えるべきか、数年単位で考えるべきかはビジネスの性質で変わります。

ざっと考えられるところとしてはこんなところでしょうか。データが欠けている以上どうしてもダイレクトに評価できる指標を採用できませんので、正直どうしても歯切れの悪い感じにはなってしまいますね。ただ数値がないなかで、評価の指標をなにか考えていかないといけないというのも事業者さんの悩みです。

評価指標の設計もSprocketではご支援します

Sprocketとしては、評価指標の設計の部分もできるだけお手伝いしていきたいと考えています。ポイントは、複数の評価指標を設けておくべきということです。

以前、評価指標作成をお手伝いしたこともあるのですが、デジタルの施策が元々考えていた以外の領域にも実は貢献していたとか、視点を広げるとその他の貢献も可能だということに気づいたということが何度もあります。

複数の指標の足し算、場合によっては掛け算で評価できることが示せれば、施策のROIもより高くなります。逆に言えば、施策実施者が「なんとなくもっといろいろな貢献をしているはずなんだけどどうも評価されないな」と感じていたり、社内で思ったより低い評価をされている場合には、社内の評価者と施策実施者の間で評価指標のギャップがあるということですから、しっかり指標化を考えていくことが大事になります。

Sprocketは、離脱防止ツールSprocketの導入の結果として、狙った指標を向上させるご案内のツアーを提供していくことが直接的なお手伝いの領域ですが、場合によっては、施策の評価指標そのものを一緒に考えることもできますので、お困りの際にはご相談ください!

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